一か月半で沈黙した一台と、二年動いている一台
同じ売り場に並んでいた品でも、終わり方はまるで違う。
28歳の女性は、ほぼ毎晩使っていたら一か月半で動かなくなった。吸引が少しずつ弱まって、ある日スイッチに反応しなくなったそうだ。充電しているはずなのに、うんともすんとも言わない。
安かったから消耗品だと思って買い直した、と彼女は言う。使いすぎたのかもしれない、とも。
一方、35歳の女性は二年近く同じ一台を使い続けている。最初の一年は毎日の時期もあったけれど、今は週に一度ほど。吸引の力は少し落ちた気がするものの、まだ十分らしい。音が大きくなってきたのが気になるくらい、と話していた。
同じ品なのに、こんなに差が出る
差を作っているのは、回数と扱い方。この二つでほぼ説明がつく。
毎日使えば一か月から三か月。週に一度か二度で丁寧に扱えば、一年を超える。目安としてはこのくらい。
33歳の女性は、週に一度か二度のペースで、使ったあとは必ず拭き取ってしまっていた。一年経っても吸引の力はほとんど落ちず、振動も温める機能も生きている。防水の表示を鵜呑みにせず、水洗いを避けたのがよかったのかもしれないと振り返っていた。
値段より、扱い方で決まる
高い品なら長持ちするのか。そう考えたくなるけれど、中に入っている電池は価格帯に関係なく消耗する。
差が出るのは、防水の作りと、部品の耐久。安い品ほど水の侵入に弱い傾向はある。ただ、毎日全開で回せば、値段に関わらず短くなる。
一か月半で壊れたことを、自分の落ち度として抱え込む必要はない。それだけ活躍した、というだけの話でしょ。
先に弱るのは、吸引のほう
スカスカになる、という言い方
26歳の女性は、三か月で吸引だけが駄目になった。振動はまだ動くのに、吸う力が抜けていく。最初はあれほど強かったのに、普通の振動する品と変わらなくなってしまったそうだ。
強い段階ばかり使っていたのが響いたのかもしれない、と本人は考えている。
この壊れ方、実はかなり多い。振動を作る部品より、空気を動かす部分のほうが先に音を上げる。
まだ直る可能性を捨てない
吸引だけが落ちたなら、捨てる前に確かめてほしいことがある。
カップの内側に汚れが固まっていないか。取り外せる品なら外して、内側を洗って完全に乾かす。それで戻る場合がある。
縁の部分が硬くなっていないかも見る。ここが劣化すると肌に密着せず、空気が逃げて圧が作れない。
当てる位置がずれているだけ、という可能性も残っている。数ミリ動かすと復活することがあるので、判断は最後に。
それでも戻らないなら、内部の部品が消耗している。ここは自分では触れない。
中で消耗している部品は三つ
寿命という言葉で一括りにされているけれど、実際には別々の部品が別々の速さで弱っていく。
電池は、回数と年数で必ず落ちる
リチウムイオンの電池は、充電と放電を繰り返すたびに容量が減る。使わずに置いていても、年数で劣化する。
満充電で二時間動いていたのが一時間になった。これは電池が落ちてきた合図で、故障ではない。
延ばしたいなら、空になるまで使い切らないこと。残量が少ない状態で長期間放置するのが、いちばん傷める。しばらく使わないなら、半分ほど残してしまう。
高温も敵。夏の車内、暖房の吹き出し口の近く、直射日光。この三つは避けたい。
空気を送る部分と、密着する縁
吸引を作っているのは、内部で空気を出し入れする小さな部品と、薄い膜。ここが摩耗すると圧が作れなくなる。
強い段階で長く回すほど、負担がかかる。連続で回し続けるのも同じ。
肌に触れる縁の部分は、繰り返し伸び縮みするうちに硬くなる。素材が劣化すると、そこから密着が崩れる。
表面のシリコンが変わっていくとき
29歳の女性は、保管場所で失敗した。直射日光の当たる場所に置いていたら、シリコンが変色してきて、ほどなく故障したそうだ。今は袋に入れて涼しい場所へしまっている。
色が変わる、べたつく、粉を吹く。この三つが出たら、素材の劣化が進んでいる。
べたつきは、他の品と重ねて置いたときにも起きる。素材同士が反応してしまうので、それぞれ別の袋に入れておきたい。
表面が荒れると、汚れが落ちにくくなる。衛生の面でも、そこが交換の目安になる。
寿命を縮める four つの原因
水が入る
防水にはいくつかの段階がある。水しぶきに耐えるだけの品と、水中に沈められる品。同じ二文字でも中身が違う。
洗う前に、充電の端子に蓋があるなら閉じる。磁石式で剥き出しなら、そこに水を溜めない。濡れたまま充電するのは避ける。
熱い湯も素材を傷める。ぬるま湯で足りる。
熱がこもる
温める機能をつけたまま長く回すと、内部に熱がたまる。電池は熱に弱いので、そこから寿命が縮む。
説明書に記載がないなら、十五分から二十分で一度止める。本体が熱くなってきたら、その時点で休ませる。
体のほうも同じで、同じ場所へ吸引を当て続けるとうっ血して跡が残ることがある。数分ごとに離す。翌日までヒリつきが引かない、腫れが出た。そんな日は使わずに休む。かゆみやおりものの変化が出たら婦人科へ。
落とす
27歳の女性は、使っている最中に床へ落としてしまった。そこから異音がするようになり、振動がガタつき、一か月後には完全に止まった。
柔らかい素材に覆われているので、衝撃を吸収してくれそうに見える。実際は、中の細かい部品にそのまま伝わる。
浴室で使うなら、ジェルや石けんで手が滑る前提で。足元にタオルを敷いておくだけで違う。
しまい方を間違える
湿ったまま袋に入れる。埃だらけの引き出しへ放り込む。他の品と重ねる。どれも寿命を縮める。
完全に乾かしてから、埃のつかない袋へ。直射日光と高温を避けた場所に置く。それだけでいい。
そろそろ、の合図
音が変わったら近い
いちばん分かりやすい前触れが、動作音の変化。今までと違う音がし始めたら、そう長くない。
先の35歳の女性も、音が大きくなってきたことを気にしていた。壊れたらまた買うつもり、と割り切っている。
振動にムラが出る、吸引の強さが安定しない。この二つも同じ方向の合図。
充電の持ちが落ち始めたら
以前の半分しか動かなくなったら、電池が終盤に入っている。
使えなくなるまでは、まだ時間がある。ただ、そこから急に止まることが多いので、次を探し始めておくと慌てない。
膨らんできた、異常に熱い、充電しても数分で切れる。この段階まで来たら、使うのをやめる。
長く使っている人がやっていること
週に一度か二度、という頻度
一年以上持たせている人に共通していたのが、この頻度。
毎日使いたい気持ちは分かる。ただ、強い刺激を毎晩浴びると体のほうも慣れていく。物足りなくなって段階を上げ、さらに慣れる。この循環に入ると、品も体も消耗する。
休む日を挟むほうが、結果として長く楽しめる。使った直後に感覚が薄れるのは自然な反応で、数日空ければ戻る人がほとんど。
使ったあとの五分
電源を切って、カップの内側を洗い、水気を拭いて乾かす。端子が濡れていないか確認してからしまう。
汚れが溜まるのは、肌に当たるカップの内側。ぬるま湯と刺激の少ない石けんで、指を入れてなぞる。アルコールで拭くと表面が白く曇ることがあるので、専用のクリーナーか石けんで足りる。
潤滑ジェルは水溶性を選ぶと洗い流しやすい。シリコン素材の品にシリコン系のジェルを合わせると表面が傷むので、そこだけ分けて覚えておきたい。
生理中や、炎症で違和感がある日は使わない。人と使い回すのも避けたい。
複数を回すという運用
31歳の女性の話が、いちばん実践的だった。
一台を使い潰すより、二台か三台を交互に使うほうが全体の寿命が延びる気がする、と。一台が弱ってきたら次に移る。結果として長く楽しめているそうだ。
消耗品として割り切っている、とも言っていた。
交互に使えば、電池の充放電の回数がそれぞれ半分になる。壊れた夜にがっかりせずに済むのも利点。
買い替えるか、保証を使うか
二か月で壊れたなら連絡する
30歳の女性は、購入から二か月で充電できなくなった。ランプも点かず、別のケーブルでも駄目。保証の期間内だったので交換してもらえたそうだ。やり取りに時間はかかったけれど、次は予備を持とうと思ったと話していた。
問い合わせの文面は事務的でいい。購入した日と場所、症状、いつからか、試したこと。この四つで足りる。使用状況を細かく説明する必要はないし、聞かれることもない。
恥ずかしさで踏みとどまるのは、もったいないよ。店の側は、この種の連絡を日常的に受けている。
買い直すなら、見ておきたい欄
防水の等級が明記されているか。カップが取り外せるか。保証の期間と連絡先がはっきりしているか。
毎日のように使うつもりなら、丈夫さを優先する。たまに使う程度なら、そこまで気にしなくていい。
説明書は捨てない。防水の等級と充電時間は、そこにしか書いていない。
手放すときの、片付け方
充電式の品には、リチウムイオンの電池が入っている。可燃ごみに混ぜると、収集車や処理施設で発火する事故につながる。
住んでいる自治体の分別ルールに従うのが基本。小型家電の回収箱を置いている自治体もあれば、電池を別に出すよう求めるところもある。役所の案内で、モバイルバッテリーや電動歯ブラシの項目を見ると近い扱いが分かる。
電池を自分で取り出すのは、無理にやらないほうがいい。傷つけると発熱や発火の危険がある。膨らんでいる品なら、なおさら触らない。
出す前に、新聞紙や紙袋で包んで形が分からないようにしておくと気が楽。洗って乾かしてから出すのは、最低限の礼儀として。
消耗品として、割り切れるかどうか
寿命を決めるのは、水と熱と衝撃と時間。この四つ。
毎日使えば一か月から三か月、週に一度か二度なら一年以上。ここに保管の丁寧さが乗ってくる。
壊れる前には、たいてい合図が出ている。音が変わる。吸引にムラが出る。充電の持ちが落ちる。気づいた時点で次を探しておけば、あの静かな夜にがっかりしなくて済む。
一年動いたなら、その一台は仕事を果たしている。手のひらの中で黙り込んだ塊を紙に包みながら、次はどれにしようかと考えるくらいでちょうどいい。

コメント